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是空舎の由来

 是空とは、般若心経にある「色即是空、空即是色」からとった言葉で、色とはこの世にある様々なもの(目に見えるもの)や出来事(現象)のことをいい、空とは実態が無いもの(目に見えないもの)のことを意味します。色、すなわちこれを空とする、とは、実際にそこにあるものも永久不変なものではなく、結局はあるように見えて無いものであるということ、つまり、究極的に言えば、すべてのものは移り変わってゆくもので、いずれはなくなってしまうものある、という考えともいえます。つまり「色即是空、空即是色」とは、有ると思っていても無い、無いと思っていても有る、ということなのかもしれません。この考え方は、陰極まれば陽に転じ、陽極まれば陰に転ず、という、陰陽がうつりかわる東洋哲学の考え方と同じといってもいいのではないでしょうか。

 また空とは、からっぽであること、つまりこれからいくらでも水を入れることができるグラスのように、毎日、様々なものを受け入れ、吸収することのできる可能性を秘めた言葉でもあります。人が成長するためには、様々な物事・知識を受け入れる余地・余力が必要です。空であることは、極めて未来志向の、むしろ成長のためには必須の状況を示していると言えます。

 創設者の柴田泰三は、是空、つまり、これ空なり、という言葉に、日々研鑽し、成長するという決意を込め、自身の鍼灸院を是空舎と命名しました。

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